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Shanghai memo

上海メモ/気が向いたとき、思いつくままに…。

カテゴリー「ビジネス」の記事一覧

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「ユニクロ 中国で1000店舗 売上高1兆円を目指す」

ユニクロ(中国名:優依庫)南京西路店が上海の旗艦店として、オープンした。
午前10時のグランドオープンを前にセレモニーが行われたが、
すでに千人以上が開店待ちの列をなしていた。

地下鉄二号線南京西路駅構内には広告が並び、
「時代報」(地下鉄各駅で朝無料で配布される新聞)の一面には、
連日、オープニングキャンペーンの広告が載った。

「ユニクロ 中国で1000店舗 売上高1兆円を目指す」

カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は13日、
上海市で世界最大の旗艦店が15日にオープンするのを前に当地で記者会見し、
今後10年以内に中国で1000店舗、売上高1兆円を目指す方針を明らかにした。
02年に中国に進出したユニクロの店舗数は現在、本土が51、香港が13。
柳井氏は「中国は世界最大の成長センターになってきた。
人口100万人以上の都市が200以上あり、1000店は軽い」と強調。
12年以降は出店ペースを毎年100程度に加速する方針を示した。

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携帯は3Gの時代へ

徐家滙でシャープの3G携帯のキャンペーンをやっていた。かつて、パナソニックやNECなど日系のベンダーも携帯電話を中国で生産販売していたが、販売戦略に失敗し撤退。一方、NOKIAやサムスンは中国大手のディストリビュータやマーケティング予算をうまく活用して販売ルートを拡大。そこへ、シャープが2008年、日本で培った3G技術で参入した。

現在、日系ベンダー唯一のシャープは2010年末までに、中国での携帯電話販売店を現状の5割増の1万店まで増やすと発表した。内陸部や中小都市を中心に販売店を増やすほか、携帯電話専売店に加え、家電量販店での販売も拡充する。品ぞろえも09年の新機種投入は10機種だったが、10年は22機種を発売する。このうち3Gに対応した端末は前年の5倍の10機種発売する計画。スマートフォンも今夏に投入する予定で、現在0.1%にとどまる3G端末のシェアを10%まで伸ばしたい考えだ。さらに今後はMS、アップル、グーグルなどの世界標準に準拠して海外市場での巻き返しを狙う。

ちなみに、中国の携帯電話契約者数は09年末で7億4738万件となり、一年間で1億613万件も増加した。増加率は前年比で16.6%。また、09年に本格サービスが始まった第三世代通信網(3G)は、09年末で1,325万件の契約数となった。しかし、総契約数に占める3Gの契約比率はまだわずか1.8%で、今後、シャープの中国での販売の成功は、販売ルートを上手に活用し構築できるかどうかにかかっている。
 


豚骨ラーメン・後日談

老板は、愛知商科大学を一年で中退し、名古屋の居酒屋やスナックで働いていた。なるほど、日本語は流暢だ。3年目から不法滞在し、9年間、日本にいたが、その間、犯罪(不法滞在は犯罪ではないのか?)を犯しておらず、指紋を取られ、1年間は再入国できないという条件だけで、なんらお咎めなく帰国できたそうだ。日本の入国管理事務所の甘さにあきれる。

この店の開店資金は21万元。日本人、まして博多出身の者からみれば、「豚骨ラーメン」もどきだ。彼は、居酒屋やスナックで働いたことはあるが、ラーメン店でのアルバイト経験はないという。たぶん、名古屋の豚骨ラーメンを参考に、見よう見まねでオープンしたのだろう。楽天的だ。

「日本で酢豚を食べましたが、中国とは全く違いました」。日本人が経営する中華料理店、中国人が経営する日本料理店。要は、上海で流行っている「味千ラーメン」に象徴されるように、出てくるメニューを「日本料理」と思い、美味しいと思えば、それでいいということだろう。そういえば、コンビニで、寿司をレンジで温めていた。何をかいわんや、である。

豚骨ラーメン

アパートの前に、「上川家(かみがわや)」という豚骨ラーメンの店ができた。スープは白湯と紅湯の二種類あり、それぞれ、台湾ラーメン、豚骨チャーシューラーメン、豚骨ラーメン、坦々麺など6種類、それに手羽先もある。店内は、4人掛けテーブルが4つとキッチン、全部で10坪程度。従業員は老板(らおばん、経営者)らしき30代の男性を含めて3人。先客が3人いたが、慣れないせいか、どうも段取りに追われているらしい。誰にもまだ注文の品が出ていなかった。12元の豚骨ラーメン紅湯を頼んだ。麺は細麺、具はチャーシュー2枚とねぎ、椎茸。スープがいまひとつ味が出てない感じがした。食べ終わり、料金を払おうとすると、ロールプレイニングで最初からそのつもりだったのか、待たせたので申しわけないと思ったのか、「不用(ぶーよん、要りません)」と言われた。

開店資金は数百万円か。飲食業は現金商売だけに、流行れば資金の回収も早い。この老板は、日本に留学し、豚骨ラーメンの店でアルバイトをしていたのだろうか。店の周辺は、日本人が多く集まる古北地区と違い、日本人はほとんどいない。自分の口には合わないが、勝ち組と言われ、他店舗展開する「味千ラーメン」と同様、最初から中国人をターゲットにしているのだろうが、この店の豚骨スープが果たして受け入れられるのか。中国語で、無一文から財をなす人を白手起家(ばいしょうちーちゃー)という。飲食業の撤退が日常茶飯事なだけに、彼の夢は実現するか。

ちなみに、古北地区には博多出身の兄弟が経営する「豚骨拉麺」という店があり、流行っている。日本で人気の「一風堂」は戦略を間違え、撤退した。

現地シニア会

この会は、隔月に開催される。
中国で現地採用された、あるいは自分で会社を立ち上げた人たちの会合で、
飲食しながら、さまざまな直近の中国情報を聞くことができる。

今回、興味深かったのは下記。

中国の南部、広州などでは、台湾系や香港系の企業が多いが、ワーカーに、たとえば月給は2000元と話し、実際は毎月半分の1000元だけ払い、残額は年末にまとめて払う、といって働かせる。そして、年末近くになると、経営者は、その会社を次の経営者に売ってドロンする。次の経営者は、ワーカーらから追及されても、それは前の経営者がやったことだと、突っぱねる。

中国では、沿岸部から内陸部へ外資の工場が拡大し、農民工と呼ばれる田舎出身の出稼ぎ労働者は、より実家に近い工場に移るようになってきた。そのために、広州など沿岸部の既存の工場では、人集めに苦労しているとのこと。

そのような背景の中、上述のような詐欺が、相変わらずまかり通っている。被害にあうのは、いつも農民工らだ。

秘密保持契約書


日本のある大手メーカーの技術者が、中国の同じ業界のメーカーから、千載一遇ともいうべき破格の待遇で採用内定を得た。しかし、好事魔多し。退職を申し入れると、会社側は「退職理由がいまひとつ、不自然。もしかして、中国メーカーに転職するのではないのか。あの大手の●●社か」と見透かされた返答だった。

その技術者は40代後半、現在勤めている会社の待遇に不満を、そして将来性に不安を感じ、日本より発展の可能性が高い中国で自分の可能性を試してみたいと考えていた。そのために、中国でビジネスできる最低レベルの(といわれる)中国語HSK6級の資格も取得して準備してきた。
 
会社側の懸念事項は、ただひとつ。自社の技術が他社、特に中国企業に流れるのを恐れているのだ。そこで、本当に退職したいのなら、これまで培ってきた自社のノウハウや技術を他社にもらさないという「秘密保持契約書」を書け、と迫った。本人の進退は暗礁に乗り上げた。
 
企業防衛のための「秘密保持契約書」は、法的に正当性があるかどうか不明だが、それは会社側の論理である。一方で、「職業選択の自由」という論理もある。

仮に彼が会社側の説得工作に妥協して、その「秘密保持契約書」に署名すれば、中国メーカーにとって、彼を採用するメリットはなくなるのか。彼の志がも、そもそも、その程度のひ弱さだったのか、あるいは、会社の論理が優先し、個人の幸福(?)がつぶされていくのか、彼が慰留に答えることが正解だったかは、誰にもわからない。要は、いずれにしても、人生、自己責任ということだけだろう。

無料の新聞

地下鉄中山公園駅のホームでは、
毎朝、タブロイド版の新聞(32P)を無料で配布している。
他の乗り換え駅や乗降客が多い駅でも同様だろう。
市販の新聞はブックスタンドでも打っているが(0.5元程度)、
この「時代報(METRO EXPRESS)」は、そのような新聞と比べても、
全国、社会、地域、国際、経済、娯楽、スポーツなど、記事のジャンルも豊富で、
遜色はない。

当然、フリーペーパーなので、運営は広告だけだが、
これだけの内容のものを発行し、果たして、黒字なのか、気にかかるところだ。

改札口付近では、何人もの老人らが、不要になった、それらの新聞をもらおうと、待ち受けている。
古紙として、売るためだ。
(昔は、ペットボトルがそうだったが、近年ではあまり見かけなくなった。)

実行力

企業活性化のためのひとつのキーワードとして「実行力」という言葉があることを知った。意味を調べると、「実行力とは、観察力や先見力によってしっかりと立てられた計画を、判断力や決断力によって行動に移していく脳力。ただむやみに行動に移すことではなく、冷静な状況分析と的確な判断に裏づけられた行動を起こす脳力を指す」とある。「口では立派なことを言うが、彼には実行力がない」というのは、モチベーション不足、優柔不断な性格、実力の欠如、目標のあいまいさ、などが背景にあるのだろう。
 
中国の企業でも欧米や日本の近代的管理手法を導入し、「実行力」(中国語では「執行力」)という言葉も経営管理や人事管理の場面で登場してきた。その狙いは、経営トップから一般社員まで、各人が「実行力」を発揮することで、企業生産性がアップするという考え方だが、ビルゲイツも「実行力がなければ、競争力はない」と言っている。中国でも、このような行動科学に基づいた経営手法の導入とともに、研修や適性検査など、新たなビジネスチャンスが広がっている。

高級人材は売り手市場

上海の日系企業に勤め、現在、転職活動をしている44歳の中国人男性に会った。
給与手取りが3万元(上海の平均給与は3千元強)、ボーナス年間3カ月、専用の乗用車付きで、
役職はNO.2の副総経理(副社長)。日本人駐在員並みの待遇だ。

因みに、現在の為替レートでいうと、1元=13元強だから、40万あまりの手取りだが、
日本の物価と比べた実際の生活感覚から考えると、1元=30~50元。
つまり、彼は手取り100万の給与を得る高級取りなのだ。

そんな厚遇にもかかわらず、転職を考えているのは、
日本の本社(メーカー)の景気が悪く、人減らしもあって、部課長クラスが日本から送り込まれ、
組織風土を壊している、
また、総経理が、会社立ち上げから「頑張ってきた」自分をないがしろにし始めて、
居心地が悪くなった、という理由からだ。
彼は、日本語、英語とも堪能で、管理部門での実績も豊富。
日系だけでなく、欧米系の企業でも、受け入れ口が見つかるかもしれない。

上司とうまが合わないから辞めたい、という気持ちは分からないわけでもないが、
サラリーマンにとって、社内での人間関係維持は避けられない課題だ。

しかし、「高級人材は、中国では引く手あまた」の中、
自信過剰で自己主張に走ると、思わぬ落とし穴に陥る恐れもあるだろう。

人手が足りない

中国に進出した日系大手自動車部品メーカーの社長に話を聞いた。

管理部長が辞め、新しい中国人人材を探しているが、なかなか見つからない。
希望する人材は、
メーカーでの実務経歴があり、日本の企業文化に精通し、日本語はビジネスクラス。
本当に納得できる人材であれば、給与や福利厚生の面で、
他社の労働条件以上のものを出しても、かまわない、という。

採用に苦労しているネックのひとつは、勤務地(工場)の立地だろう。
上海市内というものの、奉賢区と言う郊外の開発区にあるため、通勤時間が、車で1~1時間半かかる。
生活環境も上海に比べれば劣る。

このような高級人材と呼ばれる中国人は、現在、引く手あまたで、売り手市場。
ヘッドハンティングでの企業側の求人は多いが、人材が枯渇しているのだ。

自動車業界は活況を呈し、業績はウナギ登り。
この会社も、新工場の建設を視野に入れている。

要は、優秀な人材。日系だけでなく、欧米系企業に負けないために、
本当にいい人材を採用することが、企業の命運を握っている。

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