Shanghai memo
上海メモ/気が向いたとき、思いつくままに…。
45万人解雇!中国代理教員の悲惨な実態
チャン・イーモー監督の映画「あの子を探して」に登場する子供たちの表情は、土臭くて、健気だった。
その子供たちの代理教員は、年端もいかない少女。
http://shiqiao.client.jp/chinatrip/f_movie.html
そのような代理教員らが、解雇されるというニュース。
辺鄙で貧しいがゆえに、田舎の小学校には、正規教員はなかなかやってこない。
そこで、代理教員が必要とされるわけだが…。
中国に進出した日本企業や駐在員ら有志は、
個人の金で、中国に学校を建てるという活動を行ってきた。
「希望工程(プロジェクト)」という。
経済発展で華やかな面だけに光が当てられるきらいのある中国だが、
都市と田舎の格差は、ますます拡大する。
学級崩壊や教師のサラリーマン化が言われて久しい日本の「義務教育」だが、
中国に比べれば、まだましだ。
1月1日(現地時間)ChinaNews.comが報じた中国の代理教員が2010年に全員解雇されるというニュースに、中国のネットユーザーが憤慨しているという。過酷な労働条件ながら、地方の貧困地域で献身的に教鞭を取って来た代理教員達たちへの同情の声が止まない。この日1日でコメントは4000件に達し、海外のサイトにも転載され話題になっている。
中国の地方都市は財政難により、正規教員を雇えない地域が多い。しかし文部省は教員の最適化を掲げ、代理教員448,000人を2010年中に全員解雇するとしている。地方の初等教育に大きく貢献する代理教員たちは、そのほとんどが農家に転職することになるようだ。
代理教員の給料は、正規教員の4分の1以下。月給400元(約5,460円)である。しかも1年間勤務しても、支給されるのは10ヶ月分。仕事内容は正規教員と変わらない。代理教員として雇用されているだけで、待遇は正規以下なのである。劣悪な待遇ながら、もはやそれさえもなくなってしまうため、代理教員たちは苦肉の選択を迫られている。子供たちを愛するが故に、無給で教鞭を取ることを選択する者も居れば、生活を捨てる訳にも行かず、泣く泣く学校を離れる者もいるという。
代理教員への悪待遇、そして大量解雇のもたらす結果が、地方の初等教育を悲惨な行く末に導くのは明らかではないだろうか。この記事を紹介しているChinaHushの記者CC & Key氏は、強い憤りと共にこう締め括っている。
「私はこの記事を書くに当たって、涙を止めることが出来ない。私はこのことを伝える他に、何も持ち合わせていない。私はこの事実を証明することの他に、何も持ち合わせていない。これは何かを証明するかどうかの問題ではない。これは良心の問題だ。中国よ、あなたの良心はどこにあるのだ」
中国の発展は、国民を豊かさへと導かれているのだろうか。
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